夜が長くなるこの季節、キャンドルを灯して過ごす時間が増える方も多いのではないでしょうか。
このブログでは、キャンドルの炎がなぜ落ち着くのかという話や、「月あかり」に込めた思いについてお伝えしてきました。今回はその前提となる大切な話、キャンドルを安全に楽しむための基本をお伝えします。
キャンドルは小さな炎で心を落ち着かせてくれる一方で、火を使うものです。キャンドルを作る立場として、どれだけ素材にこだわっても火を扱うことのリスクはなくならないと考えています。
この記事を読むことで
- キャンドルによる事故が、どれくらい身近に起きているか
- 火災を防ぐための、基本の4つの心がけ
- 消すとき・消した後に気をつけたいこと
- 灯す前後に確認できるチェックリスト
といった内容がわかるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。
キャンドルの事故は、意外と身近に起きています
2024年4月、東京都が「ろうそくの安全性に関する調査」の結果を公表しました。
それによると、2022年(令和4年)に東京消防庁の管内で起きた、ろうそくによる火災で亡くなった方は、過去10年で最も多い4人でした。
また、都内に住む20歳以上の2,000人を対象にしたアンケートでは、ろうそくの使用中に事故やヒヤリとした経験をした人が15.4%、およそ6〜7人に1人にのぼりました。さらに、そうした経験をしてもどこにも相談・連絡をしなかった人が55.7%と半数を超えています。
具体的な事例としては、次のようなものが挙げられています。
- ろうそくが倒れて、仏壇のマットに燃え移った
- 停電のときにお風呂場でろうそくを使い、消し忘れて火災になった
ヒヤリとした経験は、事故の手前にある小さな警告のようなものです。「大丈夫だった」で終わらせず、使い方を見直すきっかけにできると良いと思います。

火災を防ぐ、基本の4つの心がけ
東京都は、消費者へのアドバイスとして、次の4点を挙げています。
① 火をつけたら、その場を離れない
万が一、周囲のものに燃え移ってもすぐに気づけるように、火をつけたままその場を離れないようにしましょう。使い終わったあとも、火が完全に消えたことを確認してから離れます。
② 燃えやすいものの近くや、不安定な場所では使わない
- 周囲に燃えやすいものを置かない
- 重心が低く、倒れにくい燭台や受け皿を使う
- 風や振動で倒れることがあるため、窓を開けっぱなしにしない。
- 子どもやペットが近づけない場所に置く
- 燭台を水洗いしたあとは、十分に乾かしてから使う
この点について、東京都の試験では、2つのことが確かめられています。
一つは窓際で風にあおられた火がカーテンに燃え移る状況の再現です。防炎加工のないカーテンは、着火後すぐに燃え広がりました。
一方、防炎加工のあるカーテンは炎が当たった部分は燃えたものの、周りに燃え広がらずに鎮火しました。窓際にキャンドルを置かないことが第一ですが、防炎加工品は万が一のときに被害を抑える助けになります。
もう一つは、燭台の皿に水滴がある状態でろうそくに火をつけた試験です。終盤になると、パチパチと音を立てて瞬間的に激しく燃え、その勢いで芯が飛び出しました。 燭台に水気を残さないことも、大切なポイントです。
③ 取扱説明書や注意書きを確認する
ろうそくは説明書や注意書きを読まずに使われがちです。
しかし、同じ商品でも使い方や環境によって燃え方は変わります。インターネットで購入した場合は、商品ページの注意書きも使う前に必ず確認しましょう。
④ 火を使わない選択肢も検討する
子どもや高齢の方、ペットがいるご家庭など火を使うことに不安がある場合は、電気式のろうそくなど、火を使わない代用品も選択肢になります。
キャンドルの炎が好きな私も、この選択肢はもっと知られてよいと思っています。

消すとき、消した後に気をつけたいこと
安全に楽しむには、灯すときだけでなく、消すときにも気をつけたいことがあります。
- 吹き消さない:勢いよく吹き消すと、溶けたロウが飛び散ったり、火のついた芯の火種が飛んだりすることがあります
- 芯を溶けたロウに倒して消す:一般的には、ピンセットなどで芯をつまみ、溶けたロウの中に倒して火を消し、すぐに芯を起こす方法がよく知られています。煙が出にくく、再び灯しやすくなります。専用の火消し道具(スナッファー)を使う方法もあります
- 消えたことを確認する:炎が見えなくても、芯の先に赤く熱が残っていたり、煙が出ていたりしないか、確かめましょう
- 冷めて固まるまで動かさない:消した直後のロウは、熱くて液体のままです。固まって冷めるまで、触ったり動かしたりしないようにします
- 保管は、直射日光や高温多湿を避ける

「天然素材だから安心」とは限りません
ミツロウや麻の芯、大豆由来のソイワックスなど天然素材のキャンドルは、すすや有害物質が気になる方に選ばれることが多いです。
ただし、それは「燃えたときに出るもの」の話であって火であることには変わりません。 倒れれば燃え移りますし、触れればやけどをします。天然素材のキャンドルでも、ここまでお伝えした基本は同じように大切です。
「月あかり」の商品ページにも、次のような注意を記載しています。
- 風がなく、水平な場所で使う
- 周りに燃えやすいものを置かない
- 小さなお子様やペットの手が届かない所に置く
点け方、消し方、保管方法については、ショップの案内(note)にもまとめています。
灯す前後のチェックリスト
最後に、使うときに確認したいポイントを、まとめておきます。
【灯す前】
- 周囲に、カーテン・紙・布など、燃えやすいものはないか
- 水平で、安定した場所に置いているか
- 窓や、エアコン・扇風機の風が当たらないか
- 子どもやペットが、触れない場所か
- 受け皿や燭台は、乾いているか
【灯している間】
- その場を離れていないか
- 炎が大きすぎる、煙が出る、ちらつく場合は、いったん消す
【消すとき・消した後】
- 吹き消さず、芯を溶けたロウに倒して、すぐに起こしたか
- 芯の先まで、完全に消えたか確認したか
- 冷めて固まるまで、動かさないか
- 寝る前、外出前に、もう一度だけ確認したか
【まとめ】安心して灯せることが、いちばんの前提
今回は、キャンドルを安全に楽しむための基本をお伝えしました。
【今回のポイント】
- 東京都の調査では、ろうそくの使用中に事故やヒヤリとした経験をした人が、約6〜7人に1人いた
- 基本は、火をつけたらその場を離れない、燃えやすいものや不安定な場所を避ける、注意書きを確認する、の3つ。火を使わない選択肢もある
- 防炎加工のカーテンは燃え広がりを抑え、燭台の水気は芯が飛び出す原因になりうる
- 消すときは吹き消さず、消した後も、確認と冷めるまで動かさないことが大切
- 天然素材でも、火であることは変わらない
キャンドルの炎は、ひと息つく時間をくれます。その時間を心から楽しむためにも、安心して灯せることが、いちばんの前提だと考えています。

満月のミツロウキャンドル「月あかり」のご紹介
最後に、私が手がけているキャンドルをご紹介します。
月のミツロウキャンドル「月あかり」は、ミツロウと麻の軸で作った天然素材のミツロウキャンドルです。満月のような明るい色合いと、その中で灯る火のゆらめきを楽しんでいただけるよう作っています。リラックスしたい時間や、瞑想、読書、勉強に集中したい時などにお使いください。

この記事でお伝えした通り、天然素材でも火を使うものであることは変わりません。次の点を守って、お使いください。
- 風がなく、水平な場所で使う
- 周りに燃えやすいものを置かない
- 小さなお子様やペットの手が届かない所に置く
ご注文をいただいてから製作するため、発送までに1ヶ月ほどお時間をいただく場合があります。
使用感は動画でご覧いただけます。またミツロウキャンドルについてはこちらの記事(note)に詳しくまとめています。ご購入は、ショップのページからお願いします。
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