「レイキで『氣』という言葉をよく使うけど、そもそもこの『氣』って東洋医学で言うところの何なんだろう?」
これまでこの記事では、レイキを通じて「氣枯れ」「氣の消耗」といった概念をたびたび取り上げてきました。ただ、こうした話は本来レイキという枠だけで完結するものではなく東洋医学全体が積み重ねてきた「気」の思想が土台にあります。
そこで今回は、東洋医学の基礎知識をマンガと図解でわかりやすくまとめた一冊『マンガでわかる東洋医学の教科書』(三浦於菟監修/ナツメ社)をご紹介します。
この記事を読むことで
- 「マンガでわかる東洋医学の教科書」がどんな本か
- レイキと東洋医学の「気」がどう繋がっているのか
- この本を読むとどんな理解が深まるのか
といった内容がわかるようになりますので、ぜひ最後までお読みください。
※本記事は東洋医学の考え方や書籍を紹介するものであり、医学的な診断・治療を行うものではありません。症状がある場合は、まず医療機関を受診してください。
「マンガでわかる東洋医学の教科書」とはどんな本か
「マンガでわかる東洋医学の教科書」は、東洋医学の基礎、診察、治療、漢方、鍼灸の基礎知識まで、東洋医学全般をマンガと図版を交えて丁寧に解説した一冊です。
構成は以下のとおりです。
- 序章:東洋医学とは
- 第1章:東洋医学の基本理論
- 第2章:東洋医学の人体論
- 第3章:東洋医学の診察方法
- 第4章:東洋医学の治療法(漢方薬)
- 第5章:東洋医学の治療法(鍼灸・その他)
- 終章:もっと知りたい東洋医学
巻頭カラーページでは代表的な生薬や経絡・経穴をビジュアルで紹介しており、専門用語には振り仮名も付けられているため、これから東洋医学を学びたいと考えている一般の方から、専門学校で学ぶ学生、医療関係者まで幅広く読める内容になっています。
監修者は日本東洋医学会の専門医・指導医の三浦於菟氏
監修は南京中医薬大学・中国医薬学院への留学経験を持ち、日本東洋医学会の専門医・指導医でもある三浦於菟氏です。
「東洋医学を知っていますか」(新潮選書)など、東洋医学の一般向け書籍を数多く手がけてきた人物であり、内容の信頼性という点でも安心して読み進められる一冊と言えます。
なぜレイキを学ぶ人に東洋医学の基礎知識が役立つのか
「レイキと東洋医学は関係あるの?」と疑問に思う方もいるかもしれません。
レイキで扱う「氣」という概念そのものは、臼井甕男氏によって体系化された独自のヒーリング技法に基づくものであり、東洋医学の「氣」とまったく同一のものではありません。しかし両者はともに「目に見えないエネルギーが心身に流れており、その巡りが滞ると不調が生じる」という東洋思想に共通する世界観を土台にしています。
明璃-あかり-でも、以前「氣」という概念そのものを深掘りした記事をお届けしましたが、東洋医学における「氣」がどのように診断・治療という実践知に結びついているのかまでを知ると、レイキが前提としている考え方の輪郭がより具体的に見えてきます。
たとえば、以下のような疑問を持ったことがある方には、本書が良い橋渡しになります。
- 「氣が滞る」とはそもそもどういう状態を指すのか
- 東洋医学ではどうやって気の状態を「診断」しているのか
- レイキと鍼灸・漢方はどう違うのか
本書から読み取れる「氣」の考え方
本書の序章「東洋医学の基礎知識」では、東洋医学の成り立ちから西洋医学との違いについて説明されています。この土台があって「氣」の考え方が落とし込まれます。
東洋医学は中国から生まれた医学であり、理論に基づいた療法です。人が生きるとは「こころ、体、そして自然などがお互いに関連をもちながら動き、機能している状態」という生命感があります。
東洋医学と西洋医学の最大の違いは、治療のアプローチです。西洋医学は病名に焦点を当てて局所的に異常を治すのに対し、東洋医学は人全体を見て自然治癒力を引き出し、体質を根本から整えることを目指します。
例えば西洋医学は、血液検査やレントゲンなどの客観的なデータに基づく病名診断と、投薬や外科手術による対症療法が特徴です。感染症やけが、急性の病気、外科的な処置に得意としています。
一方、東洋医学は、脈やお腹の状態、顔色、声、問診など五感を用いた「四診」で体と心のバランスを診断します。漢方薬、鍼灸、あん摩などを用い、原因がはっきりしない不調、冷え性などの慢性症状、病気の手前の状態(未病)の改善に効果的です。
西洋医学は病気を消すことに長け、東洋医学は体質を強くすることを得意としています。現代ではそれぞれの強みを活かした統合医療の考え方が広がっています。

「気・血・水」が人体を構成し、生命活動を支える基本要素
第1章「東洋医学の基礎理論」では、気・血・水(津液)という3つの要素が人体を構成し生命活動を支える基本要素である、という東洋医学の基本的な人体観が解説されています。
1. 気(き) ー機能の代名詞
概念
生命エネルギーそのもの。目に見えないが体を動かし、温め、守る根源的な力とされます。
主な作用
- 推動作用:血や水を体内で巡らせる、成長・発育を促す
- 温煦(おんく)作用:体を温める
- 防御作用:外邪(風邪・ウイルスなど)から体を守る
- 固摂作用:血液や汗、尿などが漏れ出ないよう留める
- 気化作用:飲食物を気・血・水に変換する
乱れによる不調
- 気虚(ききょ):気が不足→疲れやすい、気力が出ない、風邪をひきやすい
- 気滞(きたい):気の巡りが滞る→イライラ、喉のつかえ感、張った感じ
- 気逆(きぎゃく):気が逆流する→のぼせ、動悸、げっぷ
2. 血(けつ) ー物質の代名詞
概念
西洋医学の「血液」に近いですが、単なる循環液ではなく全身に栄養と潤いを運び、精神活動(意識・思考)を支える存在とされます。
主な作用
- 全身の組織・臓器に栄養を与える
- 皮膚や髪に潤いとツヤを与える
- 精神・意識活動を安定させる(血が不足すると精神不安になりやすい)
乱れによる不調
- 血虚(けっきょ):血が不足→顔色が悪い、めまい、不眠、髪や肌の乾燥
- 瘀血(おけつ):血の巡りが滞る→肩こり、生理痛、シミ・クマ、刺すような痛み
3. 水(すい)/ 津液(しんえき)
概念
血液以外の体内の水分全般(リンパ液、胃液、涙、汗、唾液など)。体を潤し、関節や粘膜を滑らかに保ちます。
主な作用
- 全身の潤いを保つ(皮膚・粘膜・関節など)
- 老廃物を排出する(尿・汗として)
- 体温調節を助ける
乱れによる不調
陰虚(いんきょ):水分不足→口や喉の渇き、ほてり、乾燥肌
水滞・痰湿(すいたい・たんしつ):水はけが悪い→むくみ、体が重だるい、めまい、下痢
気・血・水の関係性
3つは独立して存在するのではなく、互いに生成し合い、影響を及ぼし合う関係にあります。
気 ──(推動・気化)──→ 血・水を生み出し、巡らせる
血 ──(気を養う)────→ 気の働きを支える基盤となる
水 ──(潤いを与える)─→ 気や血の働きを滑らかにする
- 「気は血の帥(すい)、血は気の母」という言葉があるように、気が血を動かす原動力である一方、血は気を養う栄養源でもあります。気が不足すれば血も生まれにくく(気血両虚)、血が滞れば気の巡りも悪くなります。
- 気の巡りが悪くなると水も滞りやすく、逆に水が滞ると気の流れを妨げる、という悪循環も起こります(気滞水滞)。
- そのため東洋医学の治療ではどれか一つだけを整えるのではなく、気・血・水全体のバランスを見てアプローチするのが基本的な考え方です。

五臓六腑と陰陽五行
第2章では「東洋医学の人体論」として五臓六腑と陰陽五行について解説されています。
五臓六腑は内臓の形態だけでなく、体内の「気・血・水」の生成と循環、そして感情の働きを含む総合的な機能を指します。
五臓とは「肝・心・脾・肺・腎」で気・血・水を生成・貯蔵する中心的な役割を担います。現代医学の臓器名と同じですが、精神活動や自律神経系の働きも司ると考えられています。
六腑とは「胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦」で飲食物を消化・吸収し、不要なものを体外へ排泄する役割を持ちます。五臓と対(表裏一体)になり、互いに助け合って働きます。なお「三焦」とは現代解剖学の臓器ではなく、気・血・水の循環をスムーズにする通路という概念です。
また五臓と六腑の中間的な役割として「奇恒の腑(きこうのふ)」と呼ばれる6つの器官(脳・髄・骨・脈・胆・女子胞)があります。「奇」は「普通とは異なる」、「恒」は「常に変わらない」という意味で、これらは「臓」のように精気を蓄えますが、形は「腑」に似ています。
陰陽五行とは古代中国の自然哲学で、万物は「陰」と「陽」の二つの気で成り立ち(陰陽説)、「木・火・土・金・水」の五つの要素で循環する(五行説)と考えます。東洋医学や風水、暦の基礎となっています。

東洋医学における病気の見方
第3章の診断方法では、こうした気・血・水の状態を、脈診や舌診といった具体的な方法でどのように読み取るのかが紹介されています。
東洋医学では、体を健康に保とうとする生命力や抵抗力を「正気(せいき)」と言います。一方、人に病をもたらすものを「邪(じゃ)」と呼びます。そして人が病気になる仕組みを正気と邪のバランスで説明することになります。
そのため東洋医学では、例えば同じ風邪という症状でも正気と邪のバランスが個々で異なる為、一人ひとりの状態によって診断結果や治療方法も変わってきます。その変化していく病気の姿を「証(しょう)」と言います。
加えて気血の通り道となる「経絡(けいらく)」、その通り道である経脈上でも気の集まりやすい場所が「経穴(けいけつ/ツボ)」です。鍼灸や指圧で治療を行うときは主にこの経穴を刺激し、経脈の気血の流れを調整します。

【考察】東洋医学の考え方をレイキに活かすなら
レイキヒーリングにおいても『ヒビキ(病腺)』と呼ばれる感覚を頼りに不調のある部位を捉える技法がありますが、東洋医学における『証』も同様に「見えないものを、身体の反応から読み取る」という発想に基づいている点は興味深い共通点です。
また経験上、気血の通り道である経絡、そしてその要所となる経穴を理解し、相手に説明した上で気血の流れを調整する臨場感でレイキを流すようにすると、互いにレイキの流れを認識しやすくなる傾向があります。
それは体験レベルでありながらも道筋を立ててレイキヒーリングを行う礎となり、レイキヒーラーの自信にもつながります。特にレイキ界隈は
①レイキでないものをレイキと称してヒーリングをする
②受け手だけでなくヒーラーもレイキエネルギーへの確信が薄い
③レイキティーチャーもレイキを流せているか危うい(ティーチャー自身にも伝授が適切に行われていない)
これらの課題と、創始者:臼井甕男氏が発見したレイキの周波数を継承し、今日も適切に実践される方々が入り混じる玉石混交の世界です。
そのため「本当にレイキが流れているか」といった不安をヒーラーや受け手が感じざるを得ない状況であり、レイキエネルギーへの確信を持つための根拠が重要と言えます。
レイキヒーリングの結果を確率に委ねるか、確率を偏らせるか
このような背景を踏まえると、レイキを扱う者(ヒーラー、ティチャー、マスター)は遅かれ早かれ東洋医学への理解を深めた方が良いと言えます。特に経絡に関しては「氣の流れ」を認識する上で重要な概念であり、
・漠然と全身にレイキを流す
・経絡に沿ってレイキを流す
結果的にレイキを流す以上そのエネルギーが経絡を通るのだとしても、ヒーラーや受け手が認識していない『気の通り道』が活かされるかどうかは確率頼みになるでしょう。
この確率論や統計学における「二項分布」が「正規分布」に近似する現象(中心極限定理)を視覚的に体験できる教具・装置がゴルトンボード(ガルトンボード)であり、「意図しなければ確率は正規分布に収束する」という事実が視覚的に表れます。
これは裏返せば「意図した場合、確率は偏る」と言う話でもあります。ボードを右に傾ければボールは右に多く集まるように、人が何かしら意図した場合、意図しなかった時よりも意図した結果になりやすくなる訳です。
レイキヒーリングにおいても漫然とレイキを流せば、それとなくエネルギーが流れた感覚が得られます。一方で経験上、経絡・経穴の説明を受けた方にレイキエネルギーを流すと、説明を受けなかった場合に比べて
「なんか氣がガーっと流れてくるのを感じた」
「言われた通りの場所が熱くなっていった」
といった感想をいただく事が多いのです。そのため経絡や経穴へ意図してレイキを流すことでレイキエネルギーは認識しやすくなるのではないかと考えます。
ただ、注意点としては経絡・経穴にレイキを流す意図が強くなり過ぎればそれは『内氣』となり、エネルギー相性の問題が出てしまいます。ここでの意図とは「経絡・経穴という東洋医学のシステムを活用する」というものであって、「『私』が流す」という我欲を高める意図ではありません。
経絡・経穴にレイキを流すことでそれぞれに備えられたシステムが稼働し、そのシステムが相手を癒す。このように整理すれば経絡・経血の活用で内氣が混じることなく、それぞれを適切に扱えるようになるでしょう。

【まとめ】東洋思想という土台を知ることで、レイキの理解も深まる
今回は「マンガでわかる東洋医学の教科書」をご紹介しました。
【この本を読むことで得られる理解】
- 気・血・水という東洋医学の基本的な人体観
- 気の滞りをどう診断し、どう治療につなげるのか
- レイキが前提としている東洋思想の輪郭
レイキは東洋医学そのものではありませんが、「氣」という言葉が持つ意味の背景にはこうした長い歴史を持つ東洋思想の土台があります。この土台を知ることで、レイキヒーリングを受ける際にも、伝授を学ぶ際にも「なぜこの技法がこう考えられているのか」をより深く理解できるようになるはずです。
また、今回紹介した内容は本書の中でもごく一部を簡潔にしたものです。
・東洋医学の詳しい内容を確認したい方
・東洋思想への興味を持たれた方
・レイキという選択肢についてさらに知りたくなった方
これらに当てはまる方々は、ぜひ本書をお読みください。マンガと図解が中心の構成のため、こうした専門的な内容も直感的に理解しやすく、東洋思想に初めて触れる方でも抵抗なく読み進められます。
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