「レイキを学ぶすべての方の必読書」と言えるレイキの著書『This is 靈氣 その謎と真実を解き明かす、聖なるレイキの旅』。
今回はこの「This is 靈氣」の内容を簡単にお話ししていきます。
著者紹介
「This is 靈氣」の著者はフランク・アジャバ・ペッター氏となります。
直傳靈氣研究会代表代行大師範。日本に残された靈氣の原点を探るため2000年に来日。直傳靈氣を伝える山口千代子に弟子入りし、直傳靈氣を授かった初期の欧米人として普及に尽力する。2002年には師範格となり、2004年ドイツで師範に、世界各地で直傳靈氣の普及活動を展開、活躍している。
This is 靈氣 その謎と真実を解き明かす、聖なるレイキの旅 BAB ジャパン
レイキの全体像を理解する
本書の特徴は「レイキの全体像を理解する」ことにあり、その構成を大まかに分けると
1.レイキに関わる言葉の解説
2.レイキの歴史とレイキをめぐる旅
3.レイキ実践の記録
といったものとなります。
いずれもレイキをより詳しく知ろうとする方には垂涎物の情報で、この一冊を「レイキの辞書」として有効活用することでレイキヒーリングの実践力が上がる、と言えます。
レイキに関わる言葉の解説
「This is 靈氣」には冒頭でレイキにまつわる語句の説明がされています。
その中でも代表的なのは『靈氣(レイキ)』について。
レイキの『靈』の字は
・「雨」→豊穣の象徴であり、宇宙から降下された祝福や愛の象徴ともみなされる
・「口×3」→器。霊魂の入れ物。口が三つ並べば「祈り」となる
・「巫」→巫女。神々と人間の間の媒体。
の組み合わせであり、著者のフランク氏はこの解釈を『魂』としています。
またレイキの『氣』の字は
・「气」→蒸気、エーテルを(実態のない磁気のような媒体)表す。
・「米」→東南アジアの主食である米。稲穂の形を象徴化したもの。種蒔きから食卓に上がるまでの「八十八日」
の組み合わせであり、『エネルギー』を意味します。
つまりレイキとは「霊魂エネルギー」を扱うものだと、フランク氏は解釈しています。
レイキの歴史とレイキをめぐる旅
レイキの歴史とレイキをめぐる旅では、
・レイキの創始者、臼井甕男氏の生い立ちと経歴
・臼井氏没後の臼井靈氣療法学会
・林忠次郎氏と林靈気研究会
・戦後のレイキと直傳靈氣
・靈氣ゆかりの地をめぐる旅
という内容で、フランク氏が数々の資料をもとに丁寧にレイキの歴史を綴っています。
それぞれの内容は著書を手に取って確かめてもらうとして、レイキの歴史、特に戦禍においてレイキの継承が途絶えかねない状況を経て、なお「今レイキが私たちでも扱えるようになっている事実」の数奇さ、御縁のつながりをぜひ感じ取っていただきたいです。
レイキ実践の記録
レイキ実践の記録では、レイキヒーラーがレイキヒーリングを行う際の「一つの指標」となるものです。
例えばレイキの初学者は、手からレイキエネルギーを流した際に起こる様々な症状、いわゆる「手のひびき(病腺)」について、大まかな反応(ピリピリ、ジンジンといったもの)があることを学びます。
その病腺について「臼井先生の言葉によれば」という注釈をつけた上で「血液やリンパに毒素が堆積したり詰まったりする状態」を指しているのだと言います。(※)
臼井氏が活躍していた大正時代の手当療法を始めとした民間療法は病気治療を目的としていた為、このような見識を述べています。
日本に医師法・薬事法が制定されたのは昭和26年、戦後間もなくのことであり、臼井氏生存当時にはそうした法がなかったことをご理解ください。
また、レイキに限らず自然の摂理や物理法則といったものが人間の定めた法によってその性質を変えることがないことも事実として受け止める姿勢が大切です。
この病腺の種類として「温熱」「熱い温熱」「ピリピリ感」「響き(ドクドク脈打つ感じ)」「痛み」について挙げており、それぞれの解釈を詳しく記してあります。
他にも「60分施術における病腺の移り変わり」や「エネルギー診断としての病腺」といった内容についても触れられており、レイキヒーリングを行う際の「一つの指標」として豊富な研鑽データが書き記されています。
読後の感想
今回は「This is 靈氣 その謎と真実を解き明かす、聖なるレイキの旅」についてお話ししてきました。
この著書はレイキ講習のテキストにも参考文献として掲載される本であり、この本に書かれた内容の一部がレイキを学ぶ方々の指標となっている、と言えます。
文章から滲み出る「レイキへの愛情」をひしひしと感じながら、講習で教わるレイキの内容をさらに詳しく深掘りする内容に驚かされるばかりでした。
一方で、この本に書かれていることを全面的に「信じる」姿勢では危ういかな、とも思います。
前回の記事「「レイキは怪しい」の疑問に、レイキ講師としてお答えします」でもお話ししたように、「信じる」という姿勢は「判断を他人に委ねる行為」であり、自分で考える姿勢を見失ってしまいます。
特にレイキはその有用性を示すような科学的根拠が乏しく、実践を通じて得られた情報をまとめて実証していく他、今のところ対外的に信用を得る手段はない、と言えます。
このような状況で「この本にはこう書いてあったから、これが『正しい』のだ」と思い込んでしまうと、ヒーラーの価値観で相手を捉えるようになってしまい、ヒーリングの客観性を失うばかりか『念(内氣)』がこもってレイキとは別のエネルギーを流す結果になりかねません。
「This is 靈氣」は、レイキヒーラーが実践経験を積み重ねる上での『指標』となるものです。
そして指標とは「目指す方向性」であって、「道案内」ではないのです。
だからこそ、レイキヒーラーは、レイキヒーリングを通じて「相手」を見て、自分の手に返ってくる反応(病腺)の意味を深く考える必要があります。
それは教科書通りの意味だけで考えるのではなく、もっと広く、相手の事情に則した意味であり。
その意味を探る上での参考として、この「This is 靈氣」は心強い味方となります。
その点で「This is 靈氣」はレイキの辞書として役立つことでしょう。
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