レイキヒーラーは、自身のヒーリング・メカニズムをどこまで理解しているのだろうか。
今回ご紹介する古宮昇氏の著書『臨床心理学から見たエネルギーヒーリング』では、臨床心理士の立場からエネルギーヒーリングを解説されています。
この著書からレイキヒーラーが学ぶ点は多く、中でもエネルギーヒーリングのメカニズムに関しては、理解しているのといないのとではヒーリング結果に雲泥の差を生むものと考えられます。
そこで今回は『臨床心理学から見たエネルギーヒーリング』を一部解説し、この記事を読み終える頃には
・カウンセリングとヒーリングの違いと共通点
・エネルギーヒーリングのメカニズム
・レイキヒーラーにとって欠かせない心構え
これらの内容がわかりますので、ぜひ最後までお読みください。
著者紹介
『臨床心理学から見たエネルギーヒーリング』著者である古宮昇氏の経歴は以下の通りです。
大阪府立大学総合科学部卒業。米国・メリーランド州立 フロストバーグ大学大学院 カウンセリング心理学大学院修士課程主席卒業。米国・州立ミズーリ大学コロンビア校より心理学博士号(PhD. In Psychology)取得。
米国にて、州立カウンセリング室子ども課で常勤心理士、病院精神科で心理士等として勤務する。また、州立ミズーリ大学コロンビア校心理学部にて教鞭を執る。日本に帰国し、大阪経済大学人間科学部(臨床心理士養成第一種指定校大学院・公認心理師大学院)教授、ニュージーランド国立オークランド工科大学心理療法学大学院客員教授、および心療内科医院でカウンセラー、(NPO)ストレス・カウンセリング・センターで開業カウンセラーなどを経る。現在は神戸市にて開業カウンセラー。
「臨床心理学から見たエネルギーヒーリング」の概要
著者は
「本書は、広義のエネルギーヒーリングや気功などを行っていると主張するいかなる特定の個人、または団体を支援・擁護するものではありません」
との姿勢を示された上で、
・心理カウンセリングとエネルギーヒーリングの違い、あるいは共通点
・エネルギーヒーリングのメカニズム
といった内容について、臨床心理士としての視点から国内外での実験を交えて論理的に解説しています。
その視点は、レイキヒーラーにとって襟を正すものであったり、あいまいな部分を明確にするものであったりと、学びの多い内容となっています。
それらを踏まえた上で、レイキヒーラーにとって大切な「レイキとの向き合い方」について深掘りしていきます。

心理カウンセリングとエネルギーヒーリングの違いと共通点
まず注目すべきは「心理カウンセリングとエネルギーヒーリングの違いと共通点」です。
心理カウンセリングエネルギーヒーリングの違いは以下になります。

相手の心の動きを見るか、エネルギーを見るか。
自力を支えるか、他力で癒すか。
それらは本質的な「癒し」という部分では同じで、心理カウンセラーとヒーラーではアプローチ方法が異なるのだと言えます。
ただ、レイキヒーラーにしても本格的なヒーリングを行う前に相手の状態・状況を話し合った上でヒーリングの方針を共有します。その営みは時にであり、ヒーラーの中にはカウンセリング関連の資格を保有する方も数多くいます。
実際に私も民間のカウンセリング関連資格を多数取得し、NLPトレーナーから実践型のNLPカウンセリング技術を学ばせていただき、ヒーリングに活用しています。
では、心理技術以外の「気のレベルの交流」とは何でしょうか?
『氣』という概念を深めていけば、それは自然循環のエネルギーであり、エネルギーとは仕事をする能力のことであり、「ちから」です。
その「働きかける作用の質量」であるエネルギーは一般的には熱や光、電磁波などを指しますが、それらはエネルギーの形態であり、原子や分子、光子といった量子の「はたらき」のことを言います。
ここまで整理することで、気のレベルの交流とは
「何かしらのエネルギーがカウンセラーとクライアントの間で行き来すること」
だと見えてきます。ただ具体的なエネルギーの正体はわからないため、エネルギー全般を指すものとして仮に「氣」としている訳ですね。

そのようにカウンセラーが、カウンセリングとは別に氣の交流を通じてクライアントに癒しの実践を行うとき、ヒーラーとの境界線はあいまいとなって共通する部分となります。
ただしカウンセラーにせよヒーラーにせよ、自身の技術が理論によって支えられ、十分なトレーニングが積まれていることが前提となります。
ヒーラーが行うカウンセリング的行為も、カウンセラーが行う氣の交流も、それぞれの専門に比べれば理論による下支えとトレーニングによる実践が不足しているため、専門と同列に語ることには無理があります。
加えて心理カウンセリングには学術的に体系化された知識・技術がありますが、ヒーリングには経験則に基づく知識・技術体系があるのみで、師匠によってその洗練具合はまばらです。
今でこそ研究が進められるようになりましたが、これは量子力学の発展に伴い「目に見えない領域」を理論的に捉える必要性が出てきた恩恵によるものだと言えます。
であれば、ヒーラーとして相手を癒すことを目的とする以上、ヒーリングの仕組みについて論理的に答えられるレベルにまで学ぶ必要があります。
しかもその学びは「ヒーリング外の領域」にあり、幅広く知見を広げることが求められるのです。
エネルギーヒーリングのメカニズム
次にエネルギーヒーリングのメカニズムを見ていきましょう。
本書で書かれているエネルギーヒーリングのメカニズムを一部羅列すると、以下の通りになります。
・物質とは「エネルギーのかたまり」であり、物理的に遠赤外線が手のひらから出たり、被験者の脳波と面接者の心臓の鼓動が同調している、といった研究がある。
・物質の最小単位である素粒子のふるまいによって「量子もつれ」が起き、距離や時間に関係なく素粒子の回転が同調する。
・素粒子は観測前には波としての性質を、観測されると粒としての性質を表す。そのため「全てはエネルギー」と言える。
・意図によってエネルギーが増大になることを示す研究がある。
・ヒーラーの心身状態がエネルギーに影響を与えたとする研究結果がある。
これらの情報をヒーラー側から整理すると、以下のように言える可能性があります。
①レイキを始めとしたエネルギーヒーリングで扱う「エネルギー(氣)」とは素粒子である。
②量子もつれによって「同調」が起きた結果、距離や時間に関係なくヒーリングが行われる。
③「全てはエネルギー」である以上、同じエネルギーであるレイキは全てに働きかける。(ただしその働きかけ全てを人間が観測できるとは限らない)
④意図(=内氣)によって体感上の強さだけでなく数値上の増大も見られることは、「内氣を混ぜたエネルギー」の有用性を示唆する。
⑤ヒーラーの心身状態がヒーリングに影響を与える以上、自己浄化を始めとした日本伝統式レイキの精神向上の有用性が示唆される。
上記黄枠はあくまで可能性の域を出ない話ではありますが、日々の実践と照らし合わせると、ヒーラーにとっての妥当性は低くないかと思われます。
創始者:臼井甕男氏が京都の鞍馬山にて二十一日間に及ぶ断食修行の末「一大靈氣」に感応して靈氣(と名付けられた素粒子)を体得したこと。
そこから「靈氣療法」として(量子もつれの同調によって)人々の病を治し、その知識・技術を体系化して弟子に継承したこと。また安心立命の境地に至る為の精神向上を重視し、その実践法として靈氣療法を取り入れたこと。あるいは西洋式レイキではシンボル・マントラによってレイキエネルギーに内氣を混ぜないよう工夫すること。
現代においてレイキに改良が加えられ、独自のエネルギーを混ぜたレイキが世に出回っていること。
これらのレイキの歴史を踏まえれば、①〜⑤の内容が荒唐無稽の話ではないことが伝わるでしょう。
両者を並べてみると、科学的アプローチと体感で得られた実証データの蓄積が導き出す答えにそれほど大きな差異がないことが見えてきます。
それは同じメカニズムを異なる視点で見ているからであって、両者とも本質的であれば似通うものなのです。
ただ、体感で得られる実証データは体感が得られない限りデータとして記録できませんし、その体感が人によってまばらであれば、再現性がないため信用に足らないものになります。
そうしたことを加味せずレイキヒーラーが自身の体感だけでレイキを語ることには危うさがあり、その危うさをカバーするために高次元存在を用いたり、神秘体験を語ったりする内は一般社会で受け入れられないのも至極当然の話です。
その為、エネルギーヒーリングのメカニズムを感性だけでなく理性でも把握できていることが、レイキヒーラーとして求められる姿勢だと言えます。
【考察】レイキヒーラーがカウンセラーとなるには
レイキヒーラーは、ともすれば自分の扱うレイキについて感覚的に捉えがちです。
それだけレイキヒーラーとなる方には感性が強い方が多いと言えますが、それは同時に「相手に同じレベルの感性」がなければ伝わらない・伝えられないとも言えます。
実際にレイキヒーリングやレイキ伝授を行なっても「よくわからなかった」「感じられなかった」という感想をSNSやヒーラー同士の会話で度々聞きますし、
「レイキはティーチャー(あるいはヒーラー)による」
といった考えに、レイキに関わる多くの方々が賛同する場面も見受けられます。
そしてそれはレイキ界隈全体が「レイキを再現性を持って実施できてない」という現状を浮き彫りにしており、本業たるヒーリングがその練度のままカウンセラーを目指すことに危うさを感じます。
一方で、レイキヒーリングを幾度となく実施していくと
「相手の『思考の癖』が病を生み出しているのではないか?」
と感じる場面に多々遭遇します。そしてその思考の癖はレイキヒーリングで介入できるレベルと、そうでないレベルとがあるように感じます。
レイキの中級講習(セカンドディグリー、奥伝等)ではそうした思考の癖にアプローチする手段を学びますが、それが実際にどのような結果を導くかは個々によります。
個々による理由は、エネルギーの性質以前にヒーラーがどのような人物であって、相手にとってどれだけ信頼に足る人物なのかに大きく影響を受けるからではないか、と考えられます。
こうした背景から考えると
「レイキヒーラーが相手を癒すことに本気になる程カウンセリングを必要とする」
と言え、それは再現性を持って心身改善へ向かう為には心理学の知識・技術が求められるからです。
心理学の知見がないまま偶発的改善を繰り返すと、ともすればヒーラーが自身のヒーリング技術を過信して相手を信者化させてしまう恐れすらあります。
そうした危険を避ける為にも、ヒーラーがカウンセラーを目指す場合、ヒーラー(本業)との向き合い方を糺すところから始めた方が良いでしょう。
取りも直さず、それは「レイキとは何か」を理性と感性のバランスを持って把握・説明できることであり、
・理性:レイキに関する情報を概念的・論理的に認識する。「言葉で伝える」
・感性:レイキに関する情報を経験的・感覚的に認識する。「氣持ちで伝える」
それぞれをこのように理解し、レイキヒーラーとしてレイキを信頼足るものへと磨き上げることが求められます。
そうして感性だけでなく理性でも相手の心身状態を把握し、対応できるようになった時。心理カウンセリングとエネルギーヒーリングは相乗効果を生み、高度な「癒し」を提供できるようになるのでしょう。

まとめ
今回は古宮昇氏の著書『臨床心理学から見たエネルギーヒーリング』について、レイキヒーラーの学びとなる部分を掘り下げて解説していきました。
今回の話をまとめると以下のようになります。
・心理カウンセラーとヒーラーはそのあり方が本質的である限り、アプローチ方法は異なれどクライアントと共に「癒し」へと向かう。
・ヒーラーとして相手を癒すことを目的とする以上、ヒーリングの仕組みについて論理的に答えられるレベルにまで学ぶ必要がある。
・エネルギーヒーリングのメカニズムを感性だけでなく理性でも把握できていることが、レイキヒーラーとして求められる姿勢である。
今回ご紹介したのは著書の一部であり、この部分以外にも
・いいヒーラーの見分け方はあるか
・癒えるメカニズム
・心と身体は繋がっている
・病気は意識が100%
・心理療法とがん
といった内容などを臨床心理士の視点から解説されています。
今回の記事を読んで興味を持たれた方はぜひご一読ください。
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