「レイキで運氣アップ」や「金運、恋愛運上昇」といった文言をちらほら見かけます。
煌びやかな装飾で実際の体験談まで載せられると「本当にそうなんだ!」と思い、嬉々としてその方のレイキヒーリングや伝授を受けに行った結果
「あれ、思っていたのと違うような…」
といった感想をお聞きすることが度々あります。
そこで今回は「レイキで本当に運氣が上がるのか」について、レイキ講師としてお話しします。
結論から言えば「レイキで運氣は上がりません」
「高次元波動と言われるレイキなら運氣は上がるかも?」と期待されていた方には申し訳ありませんが、レイキで運氣は上がりません。
レイキヒーリングや伝授を受けたからと言って金運や恋愛運といった『運氣』が上がることはなく、こちらでお話しさせていただいている通り、レイキヒーリングは「自己治癒力の活性化」が主な性質となります。
運氣そのものを上げるような性質はレイキにはないのです。
では何故、巷では「レイキで運氣が上がる」といった内容が出回っているのでしょうか。
このことを理解する為には、
「そもそも運氣とは何か」
について知る必要がありますので、次に解説していきます。

運氣とは「目の前の出来事に現れる『人間の運勢』」のこと
先の記事「【氣付きは癒し】手相鑑定×レイキによる『本来の自分へ向かう癒し』」でもお伝えしていますが、私はレイキ講師であるのと同時に手相鑑定士でもあります。
手相鑑定士は手相からその方の運勢を読み解く職業であるため『運氣』に関しても一言あり、様々な方がそれぞれの解釈で「レイキで運氣が上がる」とおっしゃられることに危機感を覚えています。
この運氣ですが、その定義を見ていくと「目の前の出来事に現れる『人間の運勢』」だと言えます。
例えば街中で商品の試供品を渡された時。
「これ、CM見て気になってたんだ! ラッキー」と思うか、
「自分の気に入ったのしか使わないから、どうしようかな」と思うか。
どちらも同じ「商品の試供品を渡された」という出来事が目の前で起きたのですが、その受け取り方は人によって異なります。
前者にとっては「ラッキー」と思えるほどの運勢であり、後者にとっては「どうしようかな」と思うほどの運勢なのです。

ここからわかるのは「同じ出来事が起きても人によって『運勢』は異なる」という事実であり、運勢とは『主観』なのです。
私たちが「良い運勢」「悪い運勢」と言っているのは「私の価値観にとって良い運勢・悪い運勢」と判断しているのであり、運勢を決めるのは外部要因ではなく内部要因、つまり『わたし』です。
ここまでの話がわかると「レイキで運氣があげられない理由」も見えてきます。
「運氣が上がった」と、どう評価すればいい?
「レイキで運気が上がる」という時、そこでは「レイキを受ける前」と「レイキを受けた後」の『差』が生まれていなければなりません。
その差がわかるからこそ「上がった」「下がった」と評価することができるのですから、レイキを受ける前後の状態について客観的評価が出せることが「レイキで運気が上がった」ことの証明となります。
では、この客観的評価をどのように出せばよいのでしょうか?
少なくともレイキに関しては、厚生労働省eJIMにおいて
そのようなエネルギーの存在を示す科学的根拠(エビデンス)はありません。
と明言されていますから、レイキエネルギーを客観的に評価する手段は現状ありません。加えて運氣とは『主観』のことですから、こちらも客観的に評価しようがありません。
つまり他人から見て、あなたの運氣が上がったかの評価はどうあってもできないのです。
では、他人に評価できない運氣の上昇をなぜレイキヒーラーやティーチャーは「できる」と言えるのでしょうか?
そこにはどのような論理があって、どのような作用を客観的に評価して述べているのでしょうか?
こうして考えてみれば、レイキに限らずあらゆるエネルギーにおいて運氣を上昇させることはできないと分かります。
なぜなら運氣の評価はエネルギーによってもたらされるのではなく、そのエネルギーを受けた当人がするものだから。そこに再現性はなく、当人がその場の状況においてその瞬間に判断するものが運氣なのです。

では「レイキで運氣が上がる」は全くのデタラメなのか?
運氣の仕組みを理解すると「レイキで運氣が上がらない」ことが腑に落ちたかと思います。
しかし実際にレイキヒーリングを長くやっていると「どう考えても運氣が上がったとしか思えない」状況を何度も目にすることがありますし、私自身もレイキを伝授されてから日々レイキを扱うことによって己の価値観が変わり「運が良い」と思える出来事に何度も遭遇しています。
そのため多くのレイキヒーラーやティーチャーも同様な体験を通じて「レイキで運氣が上がった」と考えるようになったものと推察します。
この現象を考える上でネックとなるのは脳の仕組みです。
もしレイキで運氣が上がったのだとすれば、それは「レイキによって『わたし』は運氣が上がった」と感じられたら良いわけです。
そうなるとレイキの性質『自然治癒力の活性化』によって「運氣が上がったと思わせる体験」ができれば、「レイキで運氣が上がった『装い』」はできると言えます。

脳の仕組みを考えれば、先に脳が「運氣が上がった」と思い込めば、そうでない事実(=空白)を埋めるために「運氣が上った証拠」を自動的に探し始めます。
そうして「そういえばこういう事があった」と運氣が上がった出来事を見つけ出して「確かに運氣は上がったんだ」と納得させようとします。例えその出来事が記憶の改竄であったとしても。
これは脳が無意識に答えを出す『空白の原則』であり、「レイキで運氣が上がった」というのは
①「レイキで運氣が上がる」という情報によって空白が先に作られる
②レイキヒーリングあるいは伝授を受ける
③②を受けた人が空白の原則に従って自ら「運氣が上がった事実」を創り上げる
④「レイキで運氣が上がった」体験談が生まれ、拡散される
⑤拡散された情報によって「レイキで運氣が上がる」という情報が補強される
以降①〜⑤がループする
このような現象によって生み出された「『人の欲』(=内氣)の世界」であり、その世界観を共有する人々の間では運氣が上がったように感じられるのでしょう。
ただこれは、その世界観を創るものがレイキでなくとも壺でも何でもよい訳で、そうした世界観とレイキは無縁だとはっきり明言させていただきます。
まとめ -レイキも地に足のついた話を-
今回は「レイキで運氣は上がるか」というテーマを、レイキ講師兼手相鑑定士という立場からお話しさせていただきました。
ここまでの話をまとめると
・運氣とは『主観』であり、他人は評価できない
・レイキはそのエネルギーに科学的根拠がなく、エネルギーによる影響を評価できない
・そのため「レイキで運氣が上がる」ことを他人は評価できない
・それでも「レイキで運氣が上がる」と脳に思い込ませれば、運氣が上がったような疑似体験はできる
・ただしその疑似体験は他で代替可能であり、レイキは不要である
という内容で、「レイキで運氣は上がらない」が結論となります。
[余談]相手を祝福できるヒーラーやティーチャーが増えることを願って
一つ、自然治癒力の活性化や癖直し等のレイキの性質によってその方の状況が改善し、それによって仕事がうまく行くようになったり人間関係が改善されたりすることで「運が良くなった」と本人が感じることはあります。
これをもって「レイキで運氣が上がった」とするのであれば、まだわからなくもない話です。
しかしそれはレイキによって得られた副産物であり、再現性をもって誰にでも「運氣が上がった」という体感を与えられるわけではありませんから、サービス提供としてそのような内容を売りにすることは避けた方が良いでしょう。
もしレイキヒーリングや伝授を受けた方から「最近運が良くなったんです!」と言われたら
「よかったですね。それはあなたが自分から変わろうとした結果ですよ」
と伝えられるようなレイキヒーラーやティーチャーが増えることを望みます。

今回お話しさせていただいた内容は明璃-あかり-のinstagramでも触れています。
よかったらこちらもご覧ください。
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