レイキの話をする上でよく言われるのが
「でも、科学的じゃないと信用できないなぁ」
というもの。
その時は素粒子についての話や『氣』の話をして理解していただけましたが、やはりまだまだレイキについてのオカルトなイメージは拭えていないようです。
そこで今回はアメリカ国立医学図書館(NLM)が作成する文献情報データベース「PubMed」に掲載されるレイキの論文を見て、レイキの科学的な実情を探っていきます。
紹介する記事・論文において「効果がある」といった記載がありますが、日本においては「(レイキのような)エネルギーの存在を示す科学的根拠はない」とされております。
またレイキは医師法・薬事法における医学的診断・医学的医療を行うものではなく、医療専門家の医療行為を妨げるような行為ではないことも併せてお伝え致します。
ご病気や怪我等などございましたら、まずはお近くの医療機関をお頼りください。
PubMedについて
レイキの論文を見ていくにあたり、先にPubMedについてお話しします。
PubMed(パブメド)は医学、看護学、歯学、獣医学、生命科学とその周辺分野に関する参考文献や要約を掲載するMEDLINEなどへの無料検索エンジンである。
PubMed/Wikipedia
アメリカ国立衛生研究所のアメリカ国立医学図書館(NLM)が情報検索Entrezシステムの一部としてデータベースを運用している。データベース統合検索システム Entrez(NCBI 作成)の一部として提供されており、 世界の主要医学系雑誌等に掲載された文献を検索することができる。
一般的にPubMedの信頼性は高く、信頼できる学術論文が多数収められています。それだけにPubMedに掲載されるレイキの論文にも一定の信ぴょう性があると考えられます。
ただし「科学的根拠(エビデンス)レベル」の高さによってその信頼度に差が出ること、一部の粗悪な学術誌がPubMedへ掲載されることもあるため、「信頼性は高いものの、鵜呑みにしない」姿勢が大切だと言えます。
PubMedで「Reiki(レイキ)」を検索してみたら
PubMedで「Reiki」を検索してみると、以下の結果となりました。
画像は日本語翻訳済み。
ここに掲載されている一番上の記事「痛み、不安、生活の質を改善するためのレイキ療法。(Reiki therapy for pain, anxiety and quality of life)」を見ていくと
現在の記事では、レイキ療法がいくつかの病状において痛みの緩和、不安/抑うつの軽減、生活の質の改善に有効であることを示しています。緩和ケアに関する研究数が少ないため、レイキ療法の利点を明確に特定することはできませんでしたが、予備的な結果では、終末期患者に対するレイキ療法の肯定的な効果が示されている傾向があります。
Reiki therapy for pain, anxiety and quality of life
この記事によれば「緩和ケアに関する研究数が少ないため、レイキ療法の利点を明確に特定することはできない」ものの、「予備的な結果では、終末期患者に対するレイキ療法の肯定的な効果が示されている傾向がある」とされています。
ただ、その「傾向」についての詳細がこの記事では確認できなかったため、他の論文を見ていきます。
レイキは感情、痛みなど心身の健康を改善することが示唆されている
次に「A Large-Scale Effectiveness Trial of Reiki for Physical and Psychological Health(レイキによる心身の健康への効果を検証する大規模試験)」を見ていきます。
結果:合計N = 1411 回のレイキ セッションが実施され、分析に含まれました。ポジティブな感情、ネガティブな感情、痛み、眠気、疲労、吐き気、食欲、息切れ、不安、うつ病、全体的な健康状態など、すべての結果の測定で統計的に有意な改善が見られました (すべてのp値 <0.001)。
A Large-Scale Effectiveness Trial of Reiki for Physical and Psychological Health
結論:この大規模な複数施設での有効性試験の結果は、レイキの 1 回のセッションが身体的および心理的健康に関連する複数の変数を改善することを示唆しています。
この論文によれば、「レイキ1回のセッションが身体的および心理的健康に関する複数の変数を改善することを示唆」していることが記されています。
なお、ここで出される『p値』とは「ある実験中に群間差が偶然生じる可能性を示す尺度」であり、詳しくは以下の通りです。
p値とは、ある実験中に群間差が偶然生じる可能性を示す尺度。
p値/weblio辞書
例えば、p値が0.01(p=0.01)というのは、この結果を偶然生じることが100回に1回あることを意味する。p値が小さくなるほど、それだけ群間差は治療により生じている可能性が高くなる。
「p値<0.001」であれば「群間差は治療により生じている可能性が高くなる」と言えますが、先の論文では効果量に関する記述がないため、あくまで「示唆」に留まるものだと考えられます。
この論文に記された内容は、3年に及ぶヒーリング体験からも頷けるところが多く、レイキヒーリングの前後で「気持ちよかった」「心がスーッとした」「体が軽くなった」「腰の痛みがなくなった」などのポジティブな感想をいただくケースがほとんどでした。
これに対し、「ヒーリングを受ける安楽な姿勢がそのような感想を導き出したのではないか」とも考えられますが、これまでヒーリングを受けた方の中には「そもそも安心して寝られない」という方であってもヒーリング開始5分後ほどで寝息を立てて眠られる方もいらっしゃいました。
ヒーリング後にお声掛けすると、そこでようやく自分が寝ていたことに氣付かれて「そうか、寝ていたんだな。久しぶりにぐっすり寝れたわ」と、とても喜ばれていました。
レイキはプラセボよりも効果がある?
気になる論文としては「Reiki Is Better Than Placebo and Has Broad Potential as a Complementary Health Therapy(レイキはプラセボよりも優れており、補完的健康療法として幅広い可能性を秘めています)」があります。
レイキに関する英語文献、特にプラセボ効果を考慮したレイキ治療群の参加者が 20 名を超えるピアレビュー済みの臨床研究をレビューしました。13 件の適切な研究のうち、8 件でレイキがプラセボよりも効果的であることが示され、4 件では差は見られなかったものの統計的解明力に疑問があり、1 件のみが効果がないという明確な証拠を示しました。
Reiki Is Better Than Placebo and Has Broad Potential as a Complementary Health Therapy
総合的に見ると、これらの研究はレイキがプラセボよりも効果的であることをかなり強力に裏付けています。
以前こちらでも「プラセボ効果(偽薬効果)」について触れ、東洋医学的発想から心理状態と肉体状態は互いに影響を及ぼすと考えられ、
「ヒーラーとクライアントの信頼関係がレイキのヒーリング効果をポジティブなものにするのではないか」
という話をさせていただきました。
これは「レイキのエネルギーを流せていなくても実際に効果があったように見せかけているのではないか」という疑問に対する回答だったのですが、この論文が正しいのであれば「レイキのプラセボ効果を疑うまでもなく、レイキの効果は強力である」と言えるようになるでしょう。
そしてこの論文は以下のように続きます。
現在入手可能な情報から、レイキは安全で穏やかな「補完的」療法であり、副交感神経系を活性化して心身を癒します。
Reiki Is Better Than Placebo and Has Broad Potential as a Complementary Health Therapy
慢性的な健康状態の管理、およびおそらく術後の回復に幅広く使用できる可能性があります。
「レイキは安全で穏やかである」ことは、厚生労働省e-JIMにも「レイキは一般的に安全であるように思われます」と掲載されていることから、どの国でも、誰に対してもレイキが安全であることは共通認識であると言えます。
ただこの論文では「副交感神経系を活性化」「慢性的な健康状態の管理」「術後の回復(予測)」など具体的な内容にまで触れており、少なくとも海外においてレイキにはそのような効果が見られたことが証明されています。
レイキの効果についてはさらなる研究が待たれるところですが、レイキヒーリングにおいても大切なのは臨床(現場)であり、まずはレイキヒーラー一人ひとりがヒーリング実績を積み重ねて情報共有することが望ましいですね。
緩和ケアとしてレイキの使用が増加
また「The increasing use of reiki as a complementary therapy in specialist palliative care(専門的な緩和ケアにおける補完療法としてのレイキの使用が増加している)」において、「緩和ケアにおけるレイキの使用が増加している」ことが示されています。
レイキは、がん患者が利用できる CT の範囲に最近追加されたものです。エネルギー ヒーリング介入として、レイキは非侵襲的かつ非薬理学的アプローチとして人気が高まっています。
The increasing use of reiki as a complementary therapy in specialist palliative care
逸話的な証拠は、深いリラクゼーション効果が不安、ストレス、痛みの知覚を軽減するのにプラスの影響を与え、特に精神的精神的幸福の本質に関連する幸福感を促進することを示唆しています。ただし、臨床診療での応用を裏付ける証拠はほとんどなく、専門的緩和ケア (SPC) の特定の分野ではまったくありません。
この記事が書かれた2005年時点では「レイキの緩和ケアの人気が高まっているものの、臨床での応用を裏付ける証拠はない」とされています。それだけに「専門的緩和ケアにおける補完療法としてのレイキの位置付け」に関しては考察・研究の余地があるとしています。
2017年の「Reiki Therapy for Symptom Management in Children Receiving Palliative Care: A Pilot Study(緩和ケアを受けている小児の症状管理のためのレイキ療法:パイロットスタディ)」においては
結果指標の平均スコアの低下は、レイキ療法が痛み、不安、心拍数、呼吸数を減少させたことを示していますが、サンプルサイズが小さいため統計的有意性は得られませんでした。
Reiki Therapy for Symptom Management in Children Receiving Palliative Care: A Pilot Study
この予備研究は、レイキなどの補完的治療法が、緩和ケアを受けている小児の痛みや不安を管理する従来の方法をサポートするのに有益である可能性があることを示唆しています。
このようにサンプルサイズが小さいため統計的優位性は得られなかったものの、レイキ療法が痛み、不安、心拍数、呼吸数を減少させたことから、
「レイキなどの補完的治療法が、緩和ケアを受けている小児の痛みや不安を管理する従来の方法をサポートするのに有益である可能性が示唆」
されている、と記されています。
これは主たる治療法のサポートとしてレイキを選択肢に加えるにあたっての心強い論文だと言え、緩和ケアにおいて痛みや不安と向き合う方々やそのご家族にとって、レイキが一つの選択肢になり得る可能性を示しています。
まとめ -レイキへの期待は「安心立命の境地」への道筋となる-
今回はアメリカ国立医学図書館が作成する文献情報データベース「PubMed」に掲載されるレイキの論文を見て、レイキの科学的実情を探っていきました。
今回ご紹介したもの以外では「無断複写・無断転載禁止」の論文もあり、そちらでは統計的優位性を示すレイキの論文もありましたので、今回の記事を読んで興味が湧いた方は、ご自身でもこちらから調べてみると良いでしょう。
(PubMedは米国公式ウェブサイトのため、お使いのブラウザの翻訳機能を使って英語を日本語に訳すことになります)
今回PubMedに掲載されたレイキ論文を一通り読んでわかってきたことは以下の通りです。
・レイキをエネルギー療法の一つとして受け入れ、その研究を進めて医療分野へ適切に導入するように動いている。
・統計的優位性を示す論文も出始め、これまで体感的・逸話的に語られてきたレイキの効果について科学的知見を伴わせようとしている。
・とはいえ「レイキエネルギーとは何か」についての科学的証明がなされない限り、レイキの論文はどこまでも「可能性を示唆」する以上のものにならない。
レイキエネルギーを構成する素粒子が解明されることで、これまで蓄積されたレイキに関する論文の価値が飛躍的に高まる気配がします。
しかしそれは「3次元におけるレイキエネルギーの解明」であって、時に3次元を超えたかのような現象を起こすとされるレイキの全てを解明したことにならない、とも言えます。
何故なら、3次元領域におけるレイキの研究は「高次元から3次元に降りてきたレイキ」についての研究であって、それらは全て高次元にあるとされるレイキの「一側面」のみを語ったものになるからです。
もちろん、三次元領域に生きる僕たちにとっては「3次元でのレイキ」について理解するだけでも十二分であり、レイキをあらゆる場面で活用することがレイキの創始者:臼井甕男氏が求めた『安心立命の境地』への道筋なのだと言えます。
レイキの歴史において転換期となった第二次世界対戦後、日本の医療はGHQによって医療制度改革が進められたことでアメリカ医学(薬中心の医学)に置き換えられ、レイキを始めとした民間医療が「(科学的根拠を持たない)怪しいもの」とみなされるようになりました。
そして日本では未だにレイキを「オカルトめいた怪しいもの」と考える空気感がある中で、米国を始めとした海外では科学的根拠を持たないとされるレイキの研究が推し進められている現実があります。
これが何を意味するのか。
本当にただ「怪しい」だけものを世界中で研究しようとするものなのか。
そのような視点を持つことから「レイキの実情」が明らかになってくるのではないかと思いますし、僕にとっての『安心立命の境地』への道は、「まずはレイキに対する誤解を解く」ところから始めるものだと考え、今回の論文を紹介させていただきました。
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